7月のお道具『交趾焼水差』

●7月5日の野点のお稽古

 今週は北海道らしいカラリとしたお天気。青空が広がり風も心地よい日が続いています。お庭の木陰が心地よいので野点のお稽古を致しました。

 野点では、住職のお道具の取り合わせがきらりと光ります。黄色など鮮やかな色のお茶碗や水差し、緑の上絵付が鮮やかな笹の模様の平茶碗が取り合わせられました。

 中でも黄交趾の水差しが木漏れ日の中で美しく映えました。京焼永楽善五郎作、交趾という技術で装飾された水差しです。交趾焼と永楽善五郎さんについて簡単に触れてみたいと思います。


●交趾とは(こうち)

 京焼・清水焼の装飾技法の一つです。もともと「交趾」とは今のベトナムあたり、同時支配していた中国王朝から与えられた漢名だそうです。東南アジアからの「交趾船」という貿易船に乗って伝わった色鮮やかな器を「交趾焼」と呼ぶようになったそうです。お茶人さんが好んで茶席などに用いることになり、京都で生産されるようになりました。


●永楽善五郎(えいらく ぜんごろう)

 室町時代末期から土風炉師を務めていた永楽家。10代目以降土風呂だけでなく茶陶を作るようになります。善五郎さんはこの永楽家の17代目(1944年~)、1998年に善五郎を襲名されました。

  

 

西山浄土宗 護国山柳谷 興隆寺

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